早速改訂05/01/20
ヤンソン海へ渡る
 ヤンソン22歳。北方の生まれ。腹の中から母親をくすぐるような手癖の悪い子供だったが、年をとるごとにクセがひどくなり、スリ師になった。生まれついた土地を追われ、最愛の母親を故郷に残し逃げるようにがぁらへ入る。このとき村長は21歳であった。

 「絶対にまともな人間になる。立派な人間になって胸を張って田舎に帰るのだ」

 涙を流して決意した思い。だが現実は甘くなかった。がぁらの街に出、ついつい探してしまうのは狙いやすそうな懐。何度か手を出しては、がぁらの屈強なる人々にことごとく気づかれ、何度も返り討ちにあった。(がぁらが冒険者の街だったことに後々気づく)真面目に仕事をしても続かないヤンソン。

 うだつのあがらない生活に嫌気が差してきた頃、ヤンソンは一人の青年と出会う。青年は言った。

「奇想天外四捨五入」

 運命を感じた。なぜならヤンソンは先に「奇妙奇天烈摩訶不思議」と、おもいつくままに口走っていたのだ。それにこたえたこの青年。
(只者ではない)
 名をスタディという。

 スタディと出会い、ヤンソンの運命は大きく変わった。スタディは言った。

「俺たちの仲間にならないか」

 スタディは海賊だったのだ。

 ヤンソンは悩んだ。(俺は立派な人間になると決意したんだ…)それなのに海賊になってしまっては……しかし心は揺れた。生まれつき手癖の悪かったヤンソンは故郷に友人がいない。嫌われていた。盗まれた給食費は全てヤンソンが盗んだことにされていた。実際盗んでいたけど、すぐさま槍玉に上がるのはおもしろくなかった。仕返しに五寸釘を刺した藁人形をクラスメイト全員の机にしのばしたりした。見つかって殴られた。孤独であった。長い間孤独にさいなまれていたヤンソンにスタディは「仲間になれ」と誘う。


 気が付けばヤンソンは海へ渡っていた。ツヴァイル船長率いるツヴァイル海賊団の本拠地、ヘイデス=クイン号が停泊する、がぁらSEAへ。



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