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ヤンソンは悲しみにくれた。世界中をうらんだ。一度得た悦び、孤独から脱せるという開放感が、今現在ヤンソンを包んでいる孤独の色をつよめていく。 ある暑い日のことだった。 人魚の入江で恋人の小指(自分の左右あわせた十本の指のうち、右の小指がものすごく可愛いので恋人にした)と、会話をしている時、ヤンソンはふと思い立つ。 (俺と小指の新居を作ろう) かなり錯乱していた。SEAの草を食べ過ぎたせいである。しかしヤンソンは本気だった。SEAに新居を作る。この一念がヤンソンを生かしていた。夢中になれるのであればなんでもよかった。孤独から開放されるのであれば、なんでも。 ヤンソンはまず手紙を書いた。友人はいないが知人はいる。住んでいる場所がアレでソレだけどこの際誰でもよかった。書いた手紙をボトルに入れて海へ投げた後、ヤンソンは自らも自前の小船を漕ぎ出して、一路がぁらへと向かった。 |